漢方薬は女性の体調を整えるためによく用いられますが、副作用の少ない種類を選んでいくなら安心ですね。
40代からは更年期障害が現れることがあります。そうした不調を改善するために漢方薬を服用する際、どのように副作用の心配が少ないものを選べるでしょうか?
女性は加齢とともに体力の低下や体調の変化を経験します。それは少しずつ女性ホルモンの分泌量が減少してくるためです。
とりわけ女性ホルモンのエストロゲンには、身体の健康を保つさまざま働きがあります。
エストロゲンは全身の器官や機能をコントロールしているといっても過言ではないでしょう。自律神経を整えたり新陳代謝を高めたり、さらには血流を良くし全身に栄養が運ばれやすくしているのです。
そのため女性ホルモンが減少すると、身体にさまざまなトラブルが引き起こされます。しかし嬉しいことに漢方薬は、女性特有の不調を改善する効果があるとされています。
漢方薬は強力な薬とは違い、副作用も少ないといわれています。しかし薬の一種ですので副作用がゼロというわけではありません。
漢方薬は複数の生薬を組み合わせて作られているので、生薬の成分によりアレルギー反応や副作用が生じることがあるのです。
そのため、漢方薬は飲んでも全く副作用がないという概念を捨て、起こり得る症状について知っておくことが大切ですね。
生薬の種類によっては、吐き気や食欲低下、胃もたれの副作用が起こるかもしれません。皮膚にかゆみが出たり、動悸やのぼせ、汗をかきやすくなるなどの副作用も生じ得ます。
漢方薬は自分の体質に合った種類を服用していけば副作用も起こりにくいとされています。全く同じ漢方薬を服用しても、体質によって副作用が出る場合と全く出ない場合とがあるのです。
そのため自分の体質を見分けることがポイントですが、まずは自分が虚弱体質か、それとも体力があるかを考えます。
虚弱体質の場合は虚証に分けられ、気力や胃腸の働きを強める漢方薬が向いているようです。
体格がしっかりとしていて病気にかかりにくい人は実証に分けられます。実証タイプの人は、動悸を改善したり気を鎮める生薬が多く使用されます。
女性ホルモンが低下してきた時に起こる更年期障害に対してよく使われる漢方薬は、
当帰芍薬散 証は陰・虚 冷え症、疲れやすい場合も効果
加味逍遥散 証は陰・虚 冷え症、精神不安にも効果
桂枝茯苓丸 証は陽・中等度〜実 冷え症、子宮内膜炎にも効果
桃核承気湯 証は陽・実 のぼせ、便秘等にも効果
女神湯 証は中間型・中等度 のぼせとめまいにも効果
四物湯 証は陰・虚 胃腸の弱い人には向きません
柴胡桂枝乾姜湯 証は陰・虚 冷え症・神経過敏にも効果
などがありますが、薬ですので合う人と合わない人がはっきり出ます。
副作用を避けるには自分の体質に合ったものを選ぶことが大切ですね。とはいえ、自分が虚証なのか実証なのか分からないこともあるかもしれません。
医療機関を受診するなら、医師はそれぞれの方の体質に合った漢方薬を処方してくれるでしょう。万が一体質に合わない時は、医師に相談するなら違う生薬の漢方薬を処方してくれるかもしれません。
比較的副作用が少ないとされる漢方薬ですが、それぞれの生薬が引き起こすかもしれない副作用について前もって知っておくと良いでしょう。自分の副作用の症状が、どの生薬によって生じているかを知ることができるでしょう。
漢方薬は更年期障害や女性の体の悩みを改善する効果が期待できます。
体質に合う漢方薬を服用し、身体の不調を克服していきましょう。