中年の女性に多くみられる病気の一つはリウマチです。医師の間では、リウマチ熱(細菌の感染で起こる病気です)と区別するために、慢性関節リウマチと呼ばれています。
世間一般では、リウマチといえばこの慢性関節リウマチのことを意味しています。
リウマチは男性よりも女性の方が発症しやすい病気ですが、初期の段階でその病気を見分けるのは難しいとされています。
リウマチにはどんな原因や症状があるのか調べておきましょう。
女性に多い病気であるリウマチは、自己免疫性疾患の一種であると考えられています。リウマチは免疫機能に障害が起こり自分の体を攻撃してしまうため、関節などに痛みが出るようです。
本来私たちの体には、外部の有害なものから身を守る免疫機能というシステムが備わっています。このシステムがあるおかげで細菌の感染を防ぎ、さまざまな病気にかからないよう守られているわけですね。
ところが自己免疫反応が異常なまでに働くと、リウマチのような自己免疫の病気を発症しやすくなります。
ではなぜ男性よりも女性のほうがリウマチになりやすいのでしょうか?それは女性ホルモンであるエストロゲンと関わりがあるようです。
エストロゲンが自己免疫反応を活性化することで抗体が作られ、体内にあるものを異物と捉えて自分の体を攻撃するようになると考えられています。
リウマチは、妊娠や出産によっても発症しやすい病気とされています。というのは妊娠や出産の時期は、自己免疫反応が正常に働かないことがあるからです。
妊娠中は、体にとって異物である胎児を排除せず受け入れるために、免疫系の働きが抑えられます。
出産して胎児が出てくると免疫系の働きは元に戻るわけですが、この時に免疫系の働きに急激な変化が起こると自己免疫反応が過剰になります。
こうした変化により免疫機能に障害が起こり、リウマチを発症することがあるようです。
リウマチは30代後半から50代にかけて発症しやすい病気です。主な症状は手足の関節に炎症が起こり、痛みや腫れが生じます。
何もしないでいる時も激しい痛みを伴うこともあるでしょう。関節や軟骨、骨までダメージを受け、進行すると関節が変形する場合もあります。
リウマチになり手足の関節に炎症が起こると、朝に症状が現れやすくなります。朝起きてからしばらくは、手がこわばるように感じることがあります。
この朝の手指のこわばりの持続時間は、リウマチの炎症の強さに比例していると言われています。
また手の動作がぎこちなくなり、ボタンの留め外しや紐を結ぶなどの細かい動作がしにくくなるでしょう。
リウマチの治療法は、関節の炎症を鎮める薬物治療やリハビリが行われることがあります。
その他にも日常生活で症状を改善できる場合もあります。例えば、ストレスはリウマチの症状を悪化させることがあるので、病気のことを心配し過ぎないようにすることができます。
同じ症状を持つ仲間とのコミュニケーションによって気持ちが前向きになることがありますし、信頼できる医師に気になる点を相談してみることもできます。
食事の栄養バランスにも気を配り、特にカルシウムを摂取するなら骨を丈夫にすることができるでしょう。
本当の慢性関節リウマチというのは診断の難しい病気の1つです。医療機関を受診する場合は、リウマチ科を標榜している病院、クリニックを選ぶべきです。
リウマチは長い経過の痛みを伴う辛い病気です。医師の診断の下、自分に合った治療法を見つけていきましょう。